沖縄の介護タクシー運賃認可申請|個人事業主向けガイド

沖縄で介護タクシー(福祉輸送事業限定)を始める際に必要な「運賃認可申請」について、個人事業主の方に向けて、運賃認可のところだけを丁寧に整理してみました。

まず知っておいていただきたいのは、運賃認可申請は単独で進めるものではないということです。事業を始めるための経営許可申請と同じタイミングで一緒に提出し、まとめて審査してもらう形になります。「運賃はあとで決めよう」というわけにはいかないので、開業準備の早い段階で運賃の方向性まで考えておくと、後がスムーズです。

運賃認可とは何か

運賃認可は、道路運送法に基づいて、介護タクシーの運賃・料金が適正かどうかを事務局に確認してもらう手続きです。運賃は自由に決められるわけではなく、認可を受けた金額の範囲で営業することになります。認可なく運賃を変えてしまうと、あとで是正を求められることもあるので注意が必要です。

利用者からの信頼にも関わる部分なので、「とりあえず周りの相場に合わせておく」というより、自分の事業のコスト感を踏まえて決めておくと、あとの経営が楽になります。

運賃の決め方は2パターン

運賃の決め方には、大きく分けて2つの方法があります。どちらを選ぶかで、準備する書類の重さがだいぶ変わってきます。

自動認可運賃

運輸局があらかじめ「この範囲内で決めてください」と示している金額の中から選ぶ方法です。範囲内であれば原価計算書等の添付が不要と認められることが多く、手続き自体はシンプルに済みます。開業したばかりで実績データがまだ少ない方は、まずこちらから検討してみるとよいかもしれません。

個別認可運賃

運輸局が示す範囲の中に収まらない場合に選ぶ方法です。「うちの場合、この運賃じゃないと採算が合わない」というときに、自分で計算した金額をそのまま申請できます。

ただしその分、「なぜその金額なのか」を数字で説明する資料が必要になります。具体的には、人件費や車のガソリン代・車検代、月にどれくらい稼働できそうか、といった収支の見込みをまとめた資料です。作るのに少し手間がかかるので、その分準備期間も長めに見ておいたほうがいいです。

なお、どちらの方式を選んでも、車種(普通車か福祉車両かなど)によって運賃を分けて決める必要がある点は共通です。

個別認可運賃を選ぶ事業者には、いくつか傾向があります。自動認可運賃の範囲だと採算が合わないと感じている事業者や、車両・サービスの質にこだわっていてその分を運賃にきちんと反映させたい事業者、すでに介護保険の指定を受けていて自社独自の運賃設計をしたい事業者などが、こちらを選ぶことが多いようです。ただしこれは全国的に見られる傾向で、沖縄総合事務局側の統計として確認できたものではないので、参考程度に見ておいてください。

運賃認可に必要な書類

  • 運賃認可申請書(いくらで運賃を設定するか記載する書類)
  • 経営許可申請書・事業計画書(運賃認可と同時に出す書類なので、こちらも必要)
  • 法令試験の合格証
  • 個別認可運賃を選ぶ場合は、金額の根拠を示す収支の資料(原価計算書・収支見積書)

書類のフォーマットは沖縄総合事務局運輸部の公式サイトからダウンロードできます。様式が更新されることもあるので、申請の直前に一度、最新版かどうか見ておくと安心です。

申請から認可までの流れ

  1. 経営許可申請書と運賃認可申請書をあわせて準備・提出
  2. 審査(書類内容や運賃設定の妥当性が確認されます)
  3. 法令試験の受験(原則、申請日の翌月の第3水曜日に実施されます。毎月定例で開かれるわけではなく、申請ごとに実施日が決まる点は覚えておいてください)
  4. 経営許可・運賃認可が同時に下りる(ここまでの標準処理期間は約2ヶ月が目安です。ただし補正にかかった期間は含まれません)

法令試験は申請してすぐ受けられるものではなく、翌月の決まった水曜日まで待つことになります。書類準備の期間も合わせると、申請から実際の営業開始までは、数ヶ月ほど見ておくと現実的です。

提出先・相談先

相談する窓口と、書類を提出する窓口は別の場所になるので、ここは少し注意してください。

  • 相談:沖縄総合事務局運輸部陸上交通課(那覇市おもろまち)
  • 提出:陸運事務所輸送部門(沖縄本島)。宮古島の方は宮古運輸事務所、石垣島の方は八重山運輸事務所です

書類を作り込む前に、一度陸上交通課へ電話で運賃の方針を相談しておくと、後からの手戻りが少なくなります。

運賃認可でつまずきやすい点

  • 自動認可運賃と個別認可運賃、どちらで進めるか決めないまま書類作成に入ってしまう
  • 個別認可運賃を選んだものの、原価計算の根拠が薄くて補正を求められてしまう
  • 相談窓口(陸上交通課)と提出先(陸運事務所)を同じ場所だと思い込んで動いてしまう
  • 経営許可の書類ばかり整えてしまい、運賃認可申請書の準備が後回しになる

よくある質問

運賃認可申請はどのくらい時間がかかりますか?

標準処理期間は約2ヶ月が目安です。ただし補正に要した期間はこれに含まれません。法令試験が翌月の第3水曜日にしか実施されないため、申請のタイミングによっては、そこからもう少し日数がかかることもあります。

自動認可運賃と個別認可運賃、どちらを選べばいいですか?

まず自動認可運賃の範囲で成り立つかどうかを確認し、事業モデル上どうしても範囲内に収まらない場合に個別認可運賃を検討する、という順番で考える事業者の方が多いようです。周辺の相場と、自分の事業のコスト構造の両方を見ながら判断するとよいと思います。

運賃認可申請だけ後から出すことはできますか?

それは難しいです。経営許可申請と同じタイミングで提出し、あわせて審査を受ける必要があります。

参考にした公式情報

【福祉タクシー】公示基準等・各種申請手続き・内閣府 沖縄総合事務局

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